幼児グループ施設長_Kさん


結柴 夏海(けしば なつみ)
幼児グループわんぱく 管理者・児童発達支援管理責任者(保育士)

1 仕事内容は?

療育を必要とする未就学の子どもを対象に、異年齢の小集団療育を行なっています。
当法人は「遊び」を中心において療育を行なっているので、子どもにめいっぱい遊んでもらうための環境設定を日々考えています。体を使った遊び、指先を使った遊び、認知的な遊びなど、心身の発達を促すための遊びを活動のあちこちに取り入れられるよう職員・スタッフで話し合いながら療育しています。また身辺自立向上を目指して着替え、食事、排泄なども一人一人に合わせた支援を行なっています。一人ひとり発達段階や年齢が異なるので、日々の療育内容を考える難しさはありますが、年度の後半になったときに、子どもたちの成長を実感し、また集団としてのまとまりを感じたときはとても嬉しく思います。

2 どんな思いでこの仕事をしていますか?

第一に、子どもが〝楽しかった″と思える療育を目指しています。何かが出来る、出来ないという目に見える成果だけではなく、楽しい、嬉しい、悲しい、悔しいなど子どもがいろいろな感情を経験できるよう意識して活動内容を考えています。そのため、子ども一人一人が、今どんなことに関心があって、どのようなことがしたいのか、また何に困っているのかをよく観察して、それに寄り添っていきたいと思っています。子どもの様子は日々違うので、臨機応変さも必要になります。難しさを感じることもありますが、それがおもしろさでもあると思っています。
また、保護者の方に対しては、子どもの成長する姿を日々共有し、手を取り合って寄り添って歩んでいける間柄になれたらと思っています。私も子どもが2人いますが、子育てしている中でぶつかる壁も誰かと支え合えば乗り越えられることもあります。なので、保護者の方ともコミュニケーションをこまめにとるよう心掛けています。また、保護者同士が助け合っていける関係になれればと保護者同志を繋ぐ支援も大切にしています。
 

3 なぜわんぱくに入職を決めたの?

保育系の大学に通学中、当法人の放課後等デイサービスで施設実習を行ったことがきっかけでした。それまでは、大学卒業後は保育園への就職を考えていましたが、わんぱくの実習を経験し、「子ども一人一人と丁寧に関われること」、「先生と子どもという上下関係ではなく、一緒に遊ぶ対等な関係性」にとても魅力を感じました。働いている職員がとても楽しそうだったのも印象的でした。「遊びを通して子どもの発達を保障していく」、そして「同年代の子どもの仲間づくりをしていく」という点も私のやりたい保育の仕事とピッタリくる点でした。
大学卒業後は放課後等デイサービスのアルバイトスタッフとして2年働き、その後2013年度から同法人の児童発達支援事業所の幼児グループわんぱくの職員として働き始め、2回の産休・育休を経て現在は幼児グループわんぱくの児童発達支援管理責任者をしています。

4 やりがいや醍醐味、面白さは?

療育や保育には「これが正解!」という明確なものがないので、日々子どもと関わっていると、もっとこうすれば良かったなと反省することもまだまだあり、難しさを感じる部分ではあります。ですが、正解がない分、〝こんな関わりはどうだろう″〝こうしてみたらどうかな″といろいろな可能性があるのが一番の面白さだと思います。
そして、幼児グループわんぱくは1日あたりの受け入れ人数が10人以下で、職員・スタッフの人数が保育園や幼稚園に比べて多いので、一人一人の子どもとじっくり関わることが出来る点が魅力だと思います。コミュニケーションを取ることが難しい場合もありますが、日々じっくり関わる中で成長が見られることは、とてもやりがいに感じます。
また、わんぱくは担当制を敷かず、「全スタッフが全子どもの状態を把握して関わる」というスタイルをとっています。そのため、打ち合わせや終礼など、療育の内容や子どもの様子について日々情報共有する時間はとても大切になります。自分が関わっていない場面の子どもの様子を知ることができる、またスタッフみんなで療育について話し合いながら、同じ方向を目指して子どもと関われる点はとても魅力です。

5 仕事と家事、育児との両立は?

児童発達管理責任者になってからは、業務量が増えて大変なことも多いですが、一緒に働く職員やスタッフの理解、そしてフォローがあるので、助かっています。療育時間内もお昼寝の時間など人手が足りている時間に交代で抜けて事務作業が出来るようにしています。また、自身の業務内容を可視化し優先順位をつけることで、隙間時間をうまく活用するよう努めています。仕事を早く切り上げられそうな時は、在宅勤務やフレックスを使って出来るだけ早く退勤し、子どもと過ごす時間も大切にするよう心掛けています。
現在、さまざまな仕事のマニュアル化を進めているので、子どもの体調不良等で急にお休みをすることもありますが、不在時も周囲の人に支えてもらいながら仕事をすることが出来ています。
家庭内でのキーワードは「適当に」です。特に家事に関しては、週末にまとめてということが多いです。平日は食事、洗濯等最低限のことのみ。あとは、夫と協力出来るよう、家庭内のこともカレンダーアプリを活用して可視化できるようにしています。

【1日のスケジュール】

9:15 出勤・保育準備
9:45 スタッフ打ち合わせ
10:00 子ども受け入れ
10:15 朝の会・体操
10:30 自由遊び
11:30 リズム体操
11:45 読み聞かせ
12:00 お弁当(子どもと一緒に食べます。)
歯磨き、掃除
自由遊び
12:45 集団遊び
帰りのしたく
お昼寝/自由遊び(この時間に連絡帳を記入します。)
14:15 帰りの会
14:30 さようなら
片付け、掃除
14:45 スタッフ終礼・休憩
事務(保護者との電話やメール、おたよりの作成、個別支援計画の作成、保育や行事計画・準備etc…)
17:00 退勤(残業をすることもあります。月末月初は忙しいです。)